東京地方裁判所 昭和43年(ワ)11492号 判決
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〔判決理由〕(二) 逸失利益
<証拠>によれば、原告和弘は本件事故当時満四歳であつたことが認められ、厚生大臣官房統計調査部の調査による第一一回生命表によれば、満四歳の男子の平均余命は64.15年であることが認められるので、原告和弘は本件事故に遭遇しなければ、満二〇歳から満六〇歳まで四〇年間は、男子の平均人として稼働することが可能であり、その間男子の平均賃金を得ることができたものと認められるところ、労働省労働統計調査部編昭和四二年賃金センサス第一巻第一表によると、昭和四二年度の企業規模一〇人以上の全産業男子労働者の収入は、平均月間定期給与額は三万六二〇〇円、平均年間賞与額は九万七四〇〇円であるから、平均の年収は五三万一八〇〇円である。ところで、原告和弘の後遺症は前記のとおり自賠責施行令別表等級の第五級第三号に該当することが認められ、労働基準監督局長通牒(昭和三二年七月二日基発第五五一号)によれば、第五級の労働能力喪失率は七九パーセントであるが、右通牒の定める基準は一率に適用すべきものではなく、傷害の部位と職業・年令等の関係から右通牒を一つの参考資料として労働能力喪失率を算定すべきである。そして、原告和弘の後遺症の部位は右下腿であること、同原告は受傷時に満四歳であることから、将来右後遺症に適応する教育の可能性が大きいことに鑑み、同原告の労働能力喪失率は四〇パーセントを以て相当と認める。したがつて、満二〇歳から六〇歳までの四〇年間の収入について、年五分の中間利息を年毎のホフマン式計算により控除すると、年収の五三万一八〇〇円に五六年のホフマン式係数26.33547736から一六年の同係数11.53639079を控除した数を乗じた金額(七八七万〇一五四円)の四〇パーセントにあたる三一四万八〇六一円が、得べかりし利益の喪失による損害と認められる。(篠田省二)